初見で歌おう – 相対音感で音をとらえる


今回は楽譜を見て音をイメージする方法です。長文になってしまいましたが、そのぶん丁寧に説明しています。

初見は超能力?

楽譜に慣れていない人からすれば、「初見」は超能力のように見えるかもしれません。

あるいは絶対音感のような特殊な能力がなければ、初見や耳コピはできないと思っている人も多いのではないでしょうか。

たしかに楽譜から音を想像するのは難しそうです。しかし、仕組みを理解して練習をすれば特殊な能力を持たない人でも楽譜を見て音を取ることができます。

最終的には移動ドを使った「階名唱」と呼ばれる方法で歌えるようになるのが目標です。

「移動ド」や「階名」という用語については後から解説しますので、今は分からなくても大丈夫です。

初見のメリット

たとえば合唱の場合、初めての楽譜を渡されたらパートや個人で音取りをして、自分のパートだけを歌えるようにしてから合わせる合唱団や部活もあるでしょう。また音を取るときは楽譜を見てみずから音を出すのでなく、鍵盤で弾いた音を耳で聞いて覚える人も多いと思います。

しかし、そのような方法では歌えるまでに結構な労力がかかりますし、耳を鍛えることもできないのでアンサンブルにも不利になります。

楽譜を見て音を出せれば音取りの負担は大きく減りますし、簡単な曲であればはじめから合わせることもできます。自分のパートだけで音を取っても、合わせたとき思いがけない和音で戸惑うこともありますので、早い段階で合わせて全体の音を聴けるのは大切です。

また、譜読みのスピードが上がれば多くの曲に出会う機会が増え、より広く音楽を楽しむことができます。

ドレミファソラシド、歌えますか?

ここで突然ですが質問です。

「ドレミファソラシド」と歌えますか?

キーは何でも構わないので「ドレミファソラシド」と聞こえる音の列が歌えればOKです。たとえば次の2つの例はキーの違う「ドレミファソラシド」の音型です。

音源:ドレミファソラシド1
音源:ドレミファソラシド2

「2番目の音源が ラ・シ・ド♯・レ・ミ・ファ♯・ソ♯・ラ」にしか聞こえない!という人がいるかもしれません(絶対音感)。しかし、相対的に音を捉えることができないのはアンサンブルにおいては不利になります。絶対音感があっても、相対的な音の高さの差(イントネーション)を聞き取る感覚がなければ、アンサンブルで良い響きを作るのは困難です。

ほとんどの人は「ドレミファソラシド」と歌えると思います。つまり、すでに初見で音を取るポテンシャルを持っているのです!

…と言われても意味がわからないかもしれませんが、これからじっくり説明していきます。

音楽で使われる音のカラクリ

ここでひとまず、音楽で使われる「音」について学びましょう。音楽理論といえば難しいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、丁寧に紐解けばだれでも理解できます。タネさえわかってしまえば単純です。

用語の説明 – オクターブ

はじめにひとつ、用語の説明をしておきます。音楽をやっていれば「オクターブ」という言葉は聞いたことがあると思いますが、意味を再確認してみましょう。

音楽で使われるドレミは「ドレミファソラシ/ドレミファソラシ/ドレミ…」と繰り返していることは知っていると思います。

この、音が繰り返す距離の単位をオクターブといいます。1周するのは1オクターブ、2周するのは2オクターブです。次の図のようなイメージです。

オクターブ

ちなみに、なぜオクターブごとに音の列が繰り返していると感じるのかは人の脳や耳の不思議なはたらきで未だ解明されていないらしいです。

オクターブ違いの音は非常によく調和するので人の耳には同じ種類の音に聞こえます。たとえば男声と女声がオクターブ違いで歌うったり、楽器でオクターブ違いでメロディーを演奏することがありますがハモリではなくユニゾンに聞こえますね。

1オクターブに12の音がある

音の高さはアナログの物理現象なので、いくらでも無段階に存在します。しかし、街の喧噪や動物の鳴き声のように、好き勝手な音を集めても音楽にはなりません。

音楽は「何かしらの規則に沿って音を並べたもの」と言えます。つまり、音楽をするためには「何かしらの規則に従った音」が必要になります。

現代音楽にはそういう音を楽しむ曲もありますが、ここでは考えないことにします。

音楽で使われる音の種類が視覚的によく表れている楽器はピアノです。次の図のように、1オクターブでループしていて、その中に12個の音があります。

12の音

私たちの知っているメロディーやハーモニーは大抵ピアノがあれば奏でることができますから、1オクターブに12個の音があれば私たちの知っている音楽を表現できることになりますね。

なぜ12分割するようになったのか…それは古代ギリシア時代までさかのぼると言われる歴史があるのですがここでは割愛します。

現代音楽では微分音など12個よりさらに細かく分けた音を使う場合もありますが、滅多に出会う機会はないのでこの記事では省きます。

12の音は平等

このようにピアノの鍵盤には12の音があるのですが、白黒入り交じったイメージから12の音は均等じゃないように見えませんか?黒い鍵盤を多く使う曲は難しいと思う人も多いでしょう。

シロクロデコボコ

しかし、12の音は均等な関係になっています。次のような鍵盤を思い浮かべてみてください。本当は12の音はこのくらい平等です。

平等鍵盤

平等、というのは平均率(ピアノの音列)での話で、実際には純正律やらなにやら人の耳に心地よく聞こえるために微妙に音程を加減します。でも、譜面を読む段階では平等と考えておいて充分事足りると思います。細かい音程は実際にアンサンブルするときに耳で合わせます。

最初からこういうふうにピアノを作ればいいのに!と思われるかもしれませんが、それは色々と不都合があるのです。まずどこが何の音かわかりませんし、ピアノの横幅も大きくなってしまいます。おそらく幅2メートル以上。ピアニストは椅子に腰を据えて演奏なんてできませんし、1オクターブの和音すら片手で押せないでしょう。かと言ってひとつひとつの鍵盤の幅を狭めたら、今度は鍵盤が細くなってしまい正確に鍵盤を押すのが困難に…。

クロマチック鍵盤など全ての鍵盤を平等に扱おうという試みもなされていますが、普通のピアノほど普及はしていません。

ドレミファソラシドのカラクリ

以上のように、音楽では1オクターブを均等に12分割した音を使います。

しかし、12音すべてを均等に使うことは滅多にありません。音楽は12音の中からいくつかの音を選んで作った「音階」というものに従って作られます。

下の図はテキトウに選んでみた例ですが、一応これでも「音階」ですね。これをループさせれば規則的な音の列ができます。

テキトーな音階

しかし、手元に鍵盤があれば弾いてみてほしいのですが上図の4~6つの音階はあまり音楽には聞こえませんね。音階といっても「使い物になる音階」と「使い物にならない音階」があるのです。

「ドレミファソラシド」は数ある音階の中のひとつ

くじ引きのようにランダムに音階を選ぶ場合、作れる音階の数はとてつもない数になります(数学が好きな人は計算してみると面白いかも)。

しかし、先ほどの例を見てもわかるように、数ある音階の中で使い物になるのはほんの一握り、いや、ひとつまみ程度しかありません。

その中で、最も市民権を得て普及したのが私たちの知っている「ドレミファソラシド」なのです。この「ドレミファソラシド」の音階を長音階と言います。

これがいったいどんな音階なのか、次の節で説明します。

これ以外の旋法に「5音音階」とか「雅楽の旋法」とか色々あります。気になる人はgoogle先生に訊いてみるといいかも。

補足 – 短調の扱いについて

長音階と全く同じ鍵盤の選び方で「ラ」からスタートする音列「ラシドレミファソラ」を短音階といい、どこか悲しげな雰囲気になります。

長調とは音楽理論的には別モノになるのですが、使う音はほぼ一緒です。そのため長調での初見が身に付けば自動的に短調でも音を取れるようになりますので以降この記事でも長調を対象に説明を進めます。

“ほぼ”一緒、というのは短音階には自然短音階・和声的短音階・旋律的短音階の3つがあるからです。しかし、いずれもちょっとした変形であり、基本は変わりません。

長音階

長音階、いわゆる「ドレミファソラシド」がどのような音の列かを見てみましょう。下の図は白い鍵盤で弾ける「ドレミファソラシド」の位置です。

規則性

普通の鍵盤では均等な白鍵の並びに見える「ドレミファソラシド」も、平等な鍵盤で見るとデコボコのパターンがありますね。黒い部分は「ドレミファソラシド」でない音階外の音です。

このことから「ドレミファソラシド」は次のようなパターンになっていることがわかりますね。

□ × □ × □ □ × □ × □ × □
(□は鳴らす音、×は飛ばす音)

調性のカラクリ

いよいよ「ドレミファソラシド」を応用していきます。調というと難しそうなイメージがあるかもしれませんが理屈はシンプルです。

「ドレミファソラシド」といえば、多くの人は白い鍵盤だけで弾ける長音階(ハ長調)を思い浮かべると思います。

「○長調」というのは、どこの鍵盤からスタートする長音階かを表す用語ですが今はよく分からなくても大丈夫です。とりあえず、白い鍵盤だけの長調はハ長調と言います。

白鍵のドレミ

ところが先述のとおり12の鍵盤は平等なので、 必ずしも「ド」の音からスタートしなくても

□ × □ × □ □ × □ × □ × □

この規則で鍵盤を選べば「ドレミファソラシド」の音階に聞こえます。スタート位置は12の鍵盤のどれでもOKです。次の図はハ長調(ドからスタート)とホ長調(ミからスタート)で、使わない鍵盤を黒くした図です。

skn08

音源:ハ長調のドレミファソラシド
音源:ホ長調のドレミファソラシド

鍵盤の下半分を隠すと、さらに一目瞭然です。

半分隠す

以上が、いわゆる「調」の仕組みです。スタートは12音どこからでもよく、例えばスタートを「ミ」の音にすれば「ホ長調」ですし、「シ♭」にすれば「変ロ長調」となります。

つまり、スタートの音によって12種類の長調があるわけです。曲の途中で調を変えるのがいわゆる「転調」です。

「○長調」と言う用語は、ドレミファソラシドを和名でハニホヘトイロハと言うことに由来します。また、”変”はフラット、”嬰”はシャープという意味です。

いろいろな調を楽譜の左端にシャープやフラットを付けて表すのは、現在の記譜法がハ長調基準になっているためです。音楽的にはハ長調が基準で他はその応用、ということはないのですがすべての調を平等に記譜するうまい方法がないので、どこかの調を基準にせざるを得ないのです。

初見は調性のカラクリを利用する

長々と調のしくみを説明しましたが、話を初見に戻します。

初見のカラクリはここにあります。絶対音感のない人でも長調の音階を「ドレミファソラシド」に感じられるということは

□ × □ × □ □ × □ × □ × □

に含まれる、となり同士の音と1コとばしの音を区別していることになります。すなわち「音同士の距離」を感知しているのです。

この音同士の距離を感知する能力を相対音感といいます。

絶対音感は訓練で身につける特殊能力ですが、相対音感は潜在的に人が持っている能力だと思います。なのでこの初見方法は能力を新しく身につける訓練というよりすでに持っている能力を活用するための訓練というほうが合っているかもしれません。

階名唱 – 移動ドで音を読む(しくみ編)

いよいよ階名唱と呼ばれる音の取り方を説明していきます。

固定ドと移動ド

音の読み方には固定ドと呼ばれる方法と移動ドと呼ばれる方法があります。

固定ド

固定ドというのは音楽の授業などで習ったいわゆる「普通」の読み方です。いついかなる時でも「ドはド」の読み方です。

ドはド

特に問題はありませんね。

移動ド

もうひとつの読み方が移動ドと呼ばれる方法です。

これはどの調であっても、使われている長音階のスタートの音を「ド」として読む方法です。つまり下の図のような読み方をするのですね。今回は例としてハ長調とホ長調を出していますが、もちろん12種類どの鍵盤からでもスタートすることができます。

固定ドと移動ド

この移動ドを使った音の歌い方を「階名唱」といいます。階名というのは移動ド上での音の名前のことです。それに対して固定ド上での音の名前音名と言います。

短調=ラシドレミファソラ の場合、音列で「ラ」に当たる音を「ド」と読む流派もあるらしいですが、紛らわしいですしやってる人を見たこともないので、このブログでは長調と短調を区別せず長調の音列の最初を「ド」とする方法で説明します。

そろそろ、勘のいい人は階名唱の効果がわかってきのではないでしょうか?

階名唱の効能

階名唱という方法をはじめて聞く方はなぜそんな読み方をするのか疑問に思うかもしれません。なぜなら、学校の音楽の授業で、あるいは小さい頃音楽教室に通った人は

ドはド

と教えられ、ずっとその読み方を使って来たからです。なぜ、その慣れ親しんだ読み方を使わずにあえて移動ドという読み方を使うのでしょうか。

この読み方の最大の特徴は調が違っても同じ旋律は同じ読み方をするということです。上の例で「ドレミファソラシドに聞こえる音列」をどちらの調でも「ドレミファソラシド」と読むことからも類推できると思います。

固定ドが個々の音の高さを指定する読み方であるのに対し、移動ドは音の移り変わり、旋律の形を指定する読み方です。

たとえば移動ドではド-ミはどの調でも鍵盤4つ隣の関係ですが、固定ドではそうとは限りません。たとえば上のホ長調だとドがシャープになるので距離が変わってしまいますね。

旋律というのは次から次へと音を移動するもの、つまり次の音への距離がわかれば先へ進めます。移動ドは「同じ読みなら同じ距離」なので、練習して相対的な音の感覚を養えば鍵盤を使わなくても読み方から旋律を歌えるようになります。

絶対音感がない限り普通の人の耳には「音の絶対的な高さ」が分かりません。しかし「音の距離・旋律の形」を感知する能力は誰もが持ち合わせているものなので移動ドを使った階名唱が有効に働きます。

絶対読み

相対読み

「移動ド」と「固定ド」どっちが良いか…という議論がありますが、場合によりけりです。歌のように音符を頭の中で音に変換する必要がある場合や和声的に音楽を捉えたい時には、音の間隔を利用した「移動ド」が有効に働くと思います。それに対して楽器など物理的な操作で音を奏でる場合には「固定ド」が有効だと思います。楽器は調によって機構が変わることもありませんので(楽器自体を調に合わせた物に持ち替えるなどはありますが)。例えば私は、歌うときは移動ドで感じてピアノを弾くときは固定ドで音符を見ます。両方の読み方を理解して、自分で使い分けられるのが良いと思います。

階名唱 – 移動ドで音を読む(実践編)

例として「赤とんぼ」のメロディーに移動ドを適用してみましょう。次の譜例は2種類の調で書いた「赤とんぼ」の冒頭です。

あかとーんーぼー

五線の上に書いてあるのが固定ド読み、下に書いてあるのが移動ド読みです。五線の上に書いてあるのが固定ド、下に書いてあるが移動ドです。

鍵盤などで弾いてみるとわかりますが、調は違っても同じメロディーですね。このように固定ドは調が違えば同じ旋律でも読み方が変わりますが、移動ドは調が違っても旋律が一緒であれば読み方が一緒です。

階名唱が効く理由

よほど臨時記号の多い厄介な曲でもない限り、大抵の旋律は ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの7種類の音を主につかってできています。

赤とんぼの例だと「ソ-ド」「ド-レ」「レ-ミ」「ミ-ソ」などの組み合わせからできていますね。

階名で歌う練習を重ねると、これらの組み合わせを体が覚えてきます。固定ド読みと違い「同じ読み方なら距離は同じ」ですからそうなればもうしめたものです。初見の楽譜でも次の音へ移動する、すなわち楽譜を見て歌うことができるようになります。

音程の組み合わせは一見多そうですが、例えば「ド-ミ」「ファ-ラ」「ソ-シ」のように同じ距離の組がたくさんあるので実際はそこまで大変ではありません。

具体的な練習手順

階名唱を実践する場合は以下のような手順で行うと良いでしょう。これに慣れてくると初見も効くようになってきます。

楽譜に移動ドを書く

最初の頃は楽譜に移動ドの読みを逐一書いてもいいです。でも、慣れてきたらなるべく書き込まなくても読めるように練習しましょう。もちろん、めまぐるしい所や音が飛ぶ所など難しい場所は補助的に書いてもいいです。

階名で歌ってみる

最初に歌うときは歌詞ではなく移動ドのドレミで発音して歌います。 上記の「赤とんぼ」なら「ソドドーーレミソドラソー♪」と歌います。

歌詞にする

階名唱で音が把握できたら、歌詞にします。

以上がおおまかな階名唱で練習する大まかな順序です。この過程に慣れてくると楽譜に移動ドをふったり階名で歌うのも飛ばして「頭の中で音程をとらえながら歌う」ことができるようになります。つまり、かつてすごい技のように思えていた「初見」ができるようになります。ある程度の練習と慣れは必要ですが、誰にでもできるはずです。

臨時記号への対応

以下、階名と音名が混在すると読みづらいので、音名を指定するときはアルファベットで書きます。いわゆるCDEFGABC…というやつです。

音楽では、調に含まれる7つの音以外の音も使うことがあります。いわゆる臨時記号です。この時は次のように感じるといいです。

臨時記号

歌うときに♭♯は発音せず、「ドレミファソファソミ…」のような感じで構いません。ただし♯♭の付く音を歌う時は心の中で♯♭を感じておいてください。

♯が付く音や♭が付く音の読み方を変える流派もありますが、説明がややこしくなりますのでこの記事では読み方を変えない方法で説明します。興味があれば調べてみてください。

ところで上の移動ド読み1箇所おかしくありませんか? 1小節目6番目のAの音は付いている記号こそ「ナチュラル」ですがファ「♯」と読んでいます。

答えは「基準の音からの上下で考えるから」。

例えばこの♭3つの調(変ホ長調=Es-Dur)ではAの音に最初から♭が付いており、♭付きの状態が基準になっています。つまり、このナチュラルは「基準の音から」半音上げる役割をしているのですね。

このように階名唱では基準の音から半音上げる記号を「♯」、半音下げる記号を「♭」と考えます。

同様に、♯が付く調で「すでに調号で♯が付いている音」にナチュラルがあったらそれは「♭」と読んでください。

調と移動ドの対応

移動ドで読む場合にどこの音を“ド”と読むのかの判別方法です。

無印の調

つまりハ長調、そのままCの音をドと読めばOKです。

シャープ系の調

シャープの調号が付く調の場合の法則は一番右側のシャープの付く音が”シ”と覚えてください。”シ”ャープの”シ”と覚えればOKです。ト音記号でも、ヘ音記号でも、このルールは共通です。

以下はシャープ系のドレミファソラシドの楽譜です。 1オクターブの音域しか表示していませんが、もちろんこれより上下の音域も同様です。

シャープ系

フラット系の調

フラットの調号が付く調の場合の法則は一番右側のフラットの付く音が”ファ”と覚えてください。”フ”ラットだから “フ”ァと覚えればOKです。ト音記号でも、ヘ音記号でも、このルールは共通です。

以下はフラット系のドレミファソラシドの楽譜です。 1オクターブの音域しか表示していませんが、もちろんこれより上下の音域も同様です。

フラット系

高度な応用:相対読み(ある程度わかる人向け)

移動ドで楽譜を読むと、調性のある音楽は基本的に初見で歌うことが出来るようになります。しかし、臨時記号があまりに多かったり、長調・短調とは違う独特の旋法で書かれた音楽の場合は移動ド読みにしろ固定ド読みにしろ、対応が難しいと思います。そのヒントを書いてみます。

その方法とは直前の音からの距離で次の音の高さを見る。つまり移動ドで培った「音の距離」を直接譜面に見いだしてしまう方法です。

相対読み

この方法は「度数」の知識が必要ですし、なかなか難しい技術ですが、絶対音感などの能力がない限りこの方法が一番可能性のある方法かと思います。

音楽の目的

最終的な目的は「自分のパートを歌う」ことではありません。

音楽は、複数の音が重なってこそ本領を発揮します。単旋律を歌うときでも、意識の水面下には和声感(音の移り変わりの感覚、他の音の存在感)があります。移動ドやら何やら相対的な音感を鍛える本当の目的は、アンサンブル全体と自分の音との関係を把握する耳を鍛えることです。

パート練習で、自分のパート単体で音取りをしていませんか?アンサンブルをするとき最も大事なのは自分の音を頑なに歌うことではなく、自分の音とアンサンブル全体の音を調和させることです。

自分のパートが歌えるようになってから合わせるやり方は、大事な「アンサンブルの調和感」を無視して曲を印象づけてしまう危険が高いのです。最初の印象を拭うのは、何も知らない状態から練習する以上に大変です。

歌えるようになったつもりでいたら、肝心の和声感・アンサンブル感が失われていた…という恐ろしい自体は避けるべきです。耳で聞いて、自分の音とアンサンブル全体の音を調和させる…そういう力をつけてほしいというのが本当の目的です。

以上で「初見で歌おう!」はおしまいです。初見力を養えば譜読みの段階から圧倒的に有利になれること間違いなしです。ぜひ練習してみてください。

にほんブログ村 音楽ブログ 楽譜・音符へ
↑ランキングクリックして頂けると励みになります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

この記事のトラックバック用URL