ダブルシャープ・ダブルフラットの意味


ダブルシャープ・ダブルフラットというのは幹音から全音上げる・全音下げる記号です…と楽典の本には書いてあります。

幹音というのは変化記号の付かないハ長調のドレミファソラシド、ピアノの白鍵で弾ける7つの音のことです。

そんなダブルシャープ・ダブルフラットですが「何のためにあるの?」という疑問をよく聞きます。たしかに、例えばファのダブルシャープはソのナチュラルと同じ音ですし、シのダブルフラットはラのナチュラルと同じ音です。

同じ音?

厳密に言えば、同じ音とみなすのは鍵盤楽器など平均律の場合で、異名同音と呼ばれる音でも音楽的な役割は異なります。声楽や弦楽器など音程の調整できる環境では、和音の中での音の役割や音楽的文脈から異名同音を分けて演奏します。ただし、この記事はそのような境地にたどり着く前の初学者むけの説明ですから、実際に演奏する上でどう扱うかは他の資料をあたったり、演奏の現場で身に付けたり、先生に習ったりして下さい。

それぞれの音に3つの選択肢

基本的に五線譜は、1オクターブに7つの音がある音階を記す方法です。音階以外の音を使いたい場合は、変化記号を使います。五線上のそれぞれの音には「半音下(フラット)」「そのまま(ナチュラル)」「半音上(シャープ)」の3つの選択肢があります。

ミのシャープとファのナチュラルは同じじゃないか、と感じるかもしれません。鍵盤上ではたしかに同じですが、音楽的には意味が異なります。初学者のうちは理解しづらいかもしれませんが、そのうちだんだんわかってきます。

3つの選択肢

調号との兼ね合い

それでは、次のように調号でシャープやフラットが付いている場合、3つの選択肢はどうなるでしょうか?

調号があるときは?

もちろん、調号が付いていてもそれぞれの音に「半音下げる」「そのまま」「半音上げる」の3つの選択肢があることには変わりがありません。しかし、すでにシャープが付いている音を「半音上げる」には…?フラットが付いている音を「半音下げる」には…?

そう!そこで出てくるのがダブルシャープ・ダブルフラットなのです。

ダブルシャープ・ダブルフラット

多くの場合、ダブルシャープはすでにシャープのついた音をさらに半音上げる、ダブルフラットはすでにフラットのついた音をさらに半音下げるという意味で使われています。だから調号でシャープやフラットが多く付いている曲でよく見かけるのですね。

また、上の図のように調号などですでにシャープやフラットが付いた音が基準となっている場合、ナチュラルは基準の音から半音下げる/半音上げる役割になっていますね。

初心者には少し難しい感覚かもしれませんが、音楽的に「ファ♯の音が半音上がったもの」を「ソ」で書いてしてしまうと、「音楽の流れ」をきちんと伝えられないわけです。

なお、調号にシャープやフラットがない音でもダブルシャープ・ダブルフラットが使われることがありますが、その場合でも一時的に転調していてシャープやフラットがすでに付いている場合がほとんどです。

楽典で「幹音から全音移動する」と説明されているので混乱しがちですが、多くの場合は「基準の音から半音移動する」と考えればスッキリするのではないでしょうか。

ほとんどの場合、多くの場合、など逐一書いているのは、もちろんそうでない使われ方もあるからです。しかし、そういった使われ方は一般的に演奏される調性音楽では出会う頻度が高くありませんので、都度判断が必要です。この記事は「ダブルシャープ・ダブルフラット入門」と思っていただければと思います。

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